ゴールデンカムイ屈指の有名エピソードとして「ラッコ鍋」の話が挙げられます。
アイヌの言い伝えによると、ラッコの肉が煮える臭いは欲情を刺激し、1人でいては気絶してしまうほどとのこと。
そのため、ラッコ肉を煮る時は、男女が同数が部屋にいなくてはならないと信じられているとされています。
そうとは知らず、アイヌの老人からもらったラッコ肉をラッコ鍋として調理してしまった杉元たち…。
密室で性欲を持て余した男5人、何も起こらないはずもなく…。
ゴールデンカムイ第12巻第115話
実際に食べるのはほぼ不可能なラッコ肉の効果や味について、徹底考察しました。
作中におけるラッコ鍋の効果は?
作中で示されているラッコ鍋の情報は
くらいのもので、味については明記されていません。
完食はしたようなので、不味いということはなさそうです。
そしてラッコ肉を煮た場に居合わせた男たちの感想は…
お互いが色っぽく見えて、スケベになってしまったどうしようもない状況を打開するために至った答えは…!?
相撲しようぜ
なるほど そうか!!
そうして、お互いの想いと筋肉をぶつけ合った結果…
ごっちゃんです…
漢たちは満足してエンディングを迎えることになります。
その後、ひとり小屋に残っていた谷垣のところにインカラマッが訪れ、結ばれることになります。
作中ではこのように強烈な催淫作用があるように表現されています。
ラッコ鍋がわるいんだよ。
実際のラッコ肉の味や効果は?
実際にラッコを食べるのは不可能に近い
ラッコは18世紀以降の毛皮目的の乱獲により、レッドリストの絶滅危惧種に指定されています。
日本では、1912年(明治45年)にラッコやオットセイを保護する目的で制定された「臘虎膃肭獣猟獲取締法(らっこおっとせいりょうかくとりしまりほう)」によっての猟獲が原則禁止されており、違反者には懲役刑も下されます。
アラスカの一部地域にて管理のもと狩猟が行われている程度
ラッコ猟はアラスカの沿岸部に住んでいる先住民にだけ許可されています。
獲ったラッコは、魚類野生動物局に30日以内に登録しなければならないように定められています。
魚類野生動物局は歯を受け取り、毛皮にはタグを付けることで、国がアラスカ先住民の工芸品として許可することになります。
2017年にカリフォルニア州サン・シメオン近くにおいて、ラッコが不法に皮を剥がれた状態で死んでいるのが見つかりました。ラッコを殺すことは最高10万ドルの罰金及び懲役刑に科せられる可能性があります。たとえ、発見時に死んでいたとしても、許可なく毛皮を剥いだり、所有することも違法とされています。
ラッコは厳しい法規制のもと管理されているので、アラスカに行けば食べられるというものではありません。
アラスカ先住民「ラッコの肉は美味しい」
アラスカ南東部でラッコ狩りを生業としているアンガスク氏を取材した記事によると、アンガスク氏は以下のように述べています。
Sea otter meat is delicious. They eat all the good stuff, so you can expect them to taste delicious as well.I eat some of the meat, but I give much of it away to elders in the community.
What’s it’s like to hunt sea otters – Vox
ラッコの肉は美味しいです。良いものばかり食べているから、その肉も美味しいことは想像できるでしょう。私も食べることはありますが、多くは地域の年長者たちにあげています。
狩りをするとき、血や歯、一部臓器などは、海洋哺乳類の研究者がサンプルとして収集し、毛皮は工芸品とするそうです。
食肉が主目的という訳ではなさそうで、サンプルとして収集もせず、食べない部分については、カニが生息する箇所に戻して、ラッコが食してきたカニ達に還元するそうです。
「美味しい」とはいうものの、特別好んで食べるような反応ではないような気がしますね。
また、ニオイ等についての記述はありませんでした。
ラッコ肉は栄養のかたまり?
他の海洋哺乳類とは異なり、ラッコには体温を守るための皮下脂肪がないため、常に熱を作り続けなければなりません。
つまり、代謝率が非常に高く、食べたものをどんどんエネルギーにしてしまいます。
そのため、毎日体重の25%程度を食べなければなりません。
体重40kgの雄は体を維持するためだけに毎日10kgの餌を食べる必要があります。
二枚貝でいうと1日に400個分に相当します。
ラッコのエサの種類
ラッコはカニ、アワビ、二枚貝、ムラサキガイ、ウニ、ユムシ、イカなど、60種類ほどの無脊椎動物をエサにすると言われています。
まれに海鳥を捕食する場合もあります。
体温を維持するために栄養価の高いものを大量に摂取しています。
アラスカラッコは魚も食べます。
カリフォルニアでは、魚はほとんど食べませんが、その理由は分かっていないらしいです。
精力増強の代表格とも言える亜鉛のほか、数々の栄養を含んだ貝類や甲殻類などを食べ続けたラッコの肉は、栄養が充実してそうに感じます。
ラッコの性欲は強い?
ラッコは一年を通じて繁殖します。複婚で、オスもメスも複数の相手と交尾を行います。
可愛い顔して、やることはヤッてるんだなぁ。
通常、オスとメスは別のグループを作っていますが、発情期になるとメスがオスのグループの中に入り込んでいきます。
オスは発情しているメスを見つけると、鼻先でつつくようなしぐさを見せます。
メスがそのオスに興味を持つと、カップルが成立します。
じゃれ合うようなしぐさを見せたあと、交尾に至ります。
ちなみに、子育てはメスが単独で行います。オスは子育てには全く関わりません。
他の動物やオスを襲うこともある
アザラシやアシカは、通常ラッコと一緒にいることはありません。
ラッコが他の動物を強姦するという報告が何度もあるそうなので、納得の理由です。
オスのラッコが、小さいオスのラッコを強姦するという目撃情報もあるそうです。
これらのことから、ラッコは性欲が比較的強いのではないかと感じます。
ラッコ鍋まとめ
ラッコを実際に食べるのは現実的ではないため、ラッコ鍋については、調べても不明なことが多いです。今後も調査していくところですが、ラッコ肉の催淫作用の根拠になりそうなのは
といった事実くらいが、参考になりそうです。
魚介類の栄養が凝縮された肉ですから、もしかしたらニオイも独特なものかもしれませんね。
アイヌの言い伝えを調べていけば何か分かるかもしれないので、新たな情報を見つけたら加筆したいと思います。
参考にしたレポート:What’s it’s like to hunt sea otters – Vox
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